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子どもの歯を守るためのフッ素(フッ化物)塗布

皆さんはフッ素(フッ化物)塗布をご存知でしょうか。

現在では歯磨き粉の90%以上に配合されているとも言われ、虫歯が減った要因の一つとして挙げられる歯を強くするお薬です。

保険治療の範囲内での塗布も可能で、当院でも積極的に定期的なフッ素の利用をおすすめしています。

 

 

 

 

【フッ素はどんなもの?】

歯科で使用しているフッ素(フッ化物)は、塗布するペースト状のものやフォーム状のもの、洗口剤などがあります。

また、毎日使う低濃度(0.2%程度)のもの、歯科で塗布する高濃度のもの(2%以上)など、性状や濃度で使い分けをしています。

 

甘いものを食べることで口の中が酸性化すると、歯はすぐに溶け始めます(脱灰)。

ただし、唾液には酸性化した口腔内をまた中性に戻す能力があり、中性に近くなるとまた溶け出した歯の成分が吸収されます(再石灰化)。

 

歯は常にこれを繰り返しています。

 

実は、この再石灰化をするときにフッ素も歯に取り込まれます。

歯のアパタイトという成分が、フッ素を取り込んでフルオロアパタイトになることで、歯が溶けにくくなり、虫歯に強くなるのです。

 

 

 

【生えたばかりの歯は弱く、虫歯になりやすい】

生えたばかり永久歯は幼若永久歯と呼ばれ、とても弱く虫歯になりやすい状態です。

歯は、口の中に頭を出したあと、再石灰化を繰り返しながら数年かけて強くなります。

 

では歯はいつ生えるのでしょうか。

乳歯は8ヶ月〜2歳半頃、永久歯は6才〜12才の頃に生えてきます。

(そのあと、親知らずが生える方は10代終わり頃に生えてきます。)

 

歯の再石灰化は、この生えたての時期に盛んだと言われており、この時期のフッ素塗布は特に重要です。

 

この時期にフッ素を定期的に塗り続けることで、歯はフッ素を活発に取り込みます。

 

つまり一生使う永久歯は、小学校から中学校にかけての時期にフッ素塗布を続けることで、強く虫歯になりにくい歯になるのです。

 

 

 

【歯医者さんに定期的に通うメリット】

未就学児や小学校低学年のときには熱心に仕上げ磨きをして、歯医者さんに通ってくださっていたお母さんも、高学年、中学生になるとなかなか通ってくれなくなってしまうことがあります。

 

でも実は、大切なのは乳歯だけではなく、一生使う永久歯です。

乳歯をしっかりケアして下さっていたように、中学校までは永久歯のケアが必要なのです。

 

小学校も高学年になると、ママのお膝で仕上げ磨き、というのはなかなか難しくなってくる現実があります。

「歯を磨きなさい!」

と毎日言うのも億劫になってくることでしょう。

 

でも、ここで歯を大切にすることで、一生虫歯になりにくい歯にすることができる大切な時期です。

当院では、ご両親への説明や歯磨き指導のほか、お子さまご本人への歯ブラシ指導にも力を入れております。

虫歯を早期に発見、治療することも大きなメリットの一つですが、フッ素塗布により歯を強くすることや、お子さまご自身の歯磨き習慣という一生の技術を身につけるためにも、ぜひ定期的に歯医者さんに通っていただければと思います。